arcus palmaris superficialis[L] (浅掌動脈弓)とarcus venosus palmaris superficialis[L] (浅掌静脈弓)の違いに気をつけよう。
venosusの入っていない方は、省略形ではなく「動脈」である。
bacteriaとmitochondriaの共通点について
両者ともに「複数形」であること。それらの単数形はそれぞれ、bacteriumとmitochondrionであり、ラテン語由来だからである。一個のbacteriumまたは一個のmitochondrionはあまりないので、通常は複数形を使う。
単複同形の解剖学ラテン語
- arcus (弓)
- ductus (管)
- genus (膝)
- hiatus (裂孔)
- meatus (道)
- plexus (叢)
- processus (突起)
- recessus (陥凹)
- sinus (洞)
- tractus (路、索)
upperは「上の、上部の」と訳すが、歯科の場合では「上顎の」と訳す。
- upper digestive tract (上部消化管)
- upper extremity (上肢)
- upper lip (上唇)
- upper respiratory tract (上気道)
- upper canine (上顎犬歯)
- upper incisor (上顎切歯)
cardiacには「心臓の」と「噴門の」の2つの意味がある。「噴門」の名詞形は cardia である。
- cardiac hypertrophy (心肥大)
- cardiac orifice (噴門口)
trabeculaとtrabeculeの違いは?
Googleで検索すると、trabeculaは約 12,700 件に対して、trabeculeは約 500 件です。trabeculaの方が正しいようです。
vena cava inferiorとinferior vena cavaはどちらが正しい?
どちらも正しいです。vena cava inferior「下大静脈」はラテン語なので、修飾語inferiorは後ろにあります。
mental「精神の」には、「オトガイの」のもう一つの意味があります。「オトガイ」とは下あごの先端です。
- mental hospital (精神病院)
- mental illness (精神疾患)
- mental foramen (オトガイ孔)
- mental spine (オトガイ棘)
cross-legとcross-leggedの違いは?
- cross-leg (a/ [医] 脚交差の)
- cross-legged (a/ [医] 交叉脚の、X脚の)
しかし、medium-sizeとmedium-sizedは同じです。
epigenesis
[生] 後成説 (*最初、卵の内部は無構造だが、受精卵が次から次へ新しい個体の一部を作っていく学説)
damageとinjuryの違いについて
医学用語ではともに「損傷」と訳し、例えば、cell damageとcell injuryはともに「細胞損傷」になる。日常では、damageは「物の損害」を意味し、injuryは「人の傷害」になる。
- A moderate earthquake shook northeastern Japan on Saturday, but no damage or injuries were reported.
(土曜に日本東北地方に中等度の地震が発生し、家屋の損害や怪我人がでなかったと報じた)
extremityとlimbの違いについて
ともに「四肢・体肢・手足の1つ」という意味をもつ。extremityは、本来の意味では、「末端、先端、終端」である。手足は、身体の「先端」なので、「四肢・体肢・手足の1つ」という意味も持つ。「四肢」の場合は複数なので、extremitiesになる。
malignancy
「悪性; 悪性腫瘍」という意味で、「悪性腫瘍」として使う時は、複数形もありうる。
- These malignancies metastasize early.
(これらの悪性腫瘍は、早期に転移する)
To+動詞を文頭に置き、「〜目的」を表わし、「ため」と訳す。
- To prevent artifacts induced by aqueous fixation, freeze-substitution was used in this study.
(本研究では、含水固定液による人工産物をなくすため、凍結置換法を使用した)
数字が文頭に置かれた時は、「数字」のままではなく「文字」で表わす。
- Five people were killed in the car accident.
(この交通事故で5人が亡くなった)
−graph はよく使われる語幹の1つで、「〜計、〜器、〜機」という意味をもつ。しかし、皮肉にも、−graphを含んでよく使われる単語 photograph は「写真機」ではなく「写真」そのものである。そして、「顕微鏡写真」は、microphotograph という。
-
actinograph光量計、日射計; electrocardiograph心電計; electroencephalograph脳波計; electrophonocardiograph心音心電計; ergograph作業記録器; heliograph日照計; photograph写真; ponograph疲労計; seismograph地震計; sphygmograph脈波計; spirograph呼吸機能記録器; stereograph立体描写器; thermograph温度記録計、サーモグラフ; ultrasonograph超音波検査器;
−icsで終る「〜学」という意味をもつ単語は、単数形である。
-
prosthetics「[sing] 歯科補綴学」
「[sing]」は、singular の略で、「単数形」という意味。
Aircraftは、単数・複数同形です。
- Two aircraft collided in midair.
(二機が空中で衝突した)
Misfortune「不幸、不運」の形容詞は、unfortunateであり、misfortunateではない。
Graduate from 〜それともbe graduated from 〜?
じつは、両方とも正しいのだが、graduate from 〜の方が望ましい。
- He graduated from Meikai University. /He was graduated from Meikai University.
(彼は明海大学を卒業した)
Phenomenonには、複数形が二つあります。自然の「現象」という意味では、phenomenonを使い、複数形はphenomenaです。「珍現象・異才」という意味では、phenomenonsを使います。
- They are phenomenons in the history of science.
(彼らは科学史上の異才だ)
Quotation marks (引用符)は、複数形をとります。なぜなら、記号が両方で2個あるからです。
Totalは名詞の場合、a total of 〜では複数扱いです。
- A total of 50 people were taken to hospitals.
(全部で50人が病院に運ばれた)
Noneは複数としても使えます。
- None of the children were hurt.
(子供だれも怪我しなかった)
BarelyとHardlyの違いについて
- The tumor cells can be barely seen.
(かすかに見える)
- The tumor cells can be hardly seen.
(ほとんど見えない)
名詞+"−"+名詞=形容詞の用例について
- metal plate (板金); metal-plate (a/ 板金の)
名詞+ly=形容詞の用例について
- Bodily stress, (肉体的ストレス)
Bodyは"肉体"で、bodilyでは"肉体的"になる。
- Friendly nation, (友好国)
Friendは"友人"で、friendlyでは"友好的"になる。
- Heavenly body, (天体)
Heavenは「天空・天国」で、heavenlyでは「天の」になる。
To+動詞ing形の用法について
Toの後ろに「不定詞」ではなく、toの目的語として「動名詞」を使うこともあります。
- I look forward to hearing from you soon.
(すぐのご返事をお待ちしております)
- I am looking forward to receiving your response soon.
(すぐにご返事いただけることを祈っています)
As+過去分詞の使い方について
主語・時制を考えずにすむ便利な用法です。
- As shown in figure 1, the calcified structure is stained black.
(図1に示されたように、石灰化物は黒色として染色される)
- As indicated in this study, X may play an important role in tumor formation.
(この報告に示唆されたように、Xは腫瘍形成に重要な役割を果たすと思われる)
The+形容詞は、集合的な名詞になり、かつ、複数扱いである。
- The rich are not always willing to help the poor.
(金持ちはいつも貧しい人を助けたいとは限らない)
他にも、the old, the young, the blind, the deaf, the disabled, the sick, the injured, the unemployed
などがある。なお、"a sick"という言い方はなく、"a sick person"で表現すべきである。
「〜からなる、構成する」を表現するには、次の3通りがある。
1) X consists of Y.
2) X is composed of Y.
3) X comprises Y.
1)と2)はいずれも、XはYから構成するという意味で、2)は受け身の形をとる。要注意なのは、3)では、XはYからなるという意味ではなく、XはYを構成するという意味になる。
- Tumor cells comprise more than 90% of the cell population.
(細胞の90%以上は腫瘍細胞からなる)
A number of 〜とa variety of 〜は、複数扱いです。
A number of とa variety of はそれぞれ、numerousとvariousに相当すると考えれば、理解できる。すなわち、numerousとvariousの後ろには、複数形がつくからです。
なお、numerousとnumeralはそれぞれ、「多数の」、「数字の」という意味をもつ。
- A huge number of people visit the memorial park every year.
(毎年、大勢の人がこの記念公園を訪ねる)
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